ヘルマン・ヘッセ
ヘッセといえば「車輪の下」「デミアン」といった小説家、あるいは詩人として知られているが実は水彩画も描いていて、初めてヘッセの「ルガーノ湖と樹」という水彩画を見て水彩画が好きになった。
元々子供の頃からヘッセは絵を描くことが好きだったらしいが、それ以上に文学的才能の方が傑出していたのだろう。
あくまでもヘッセにとって水彩画を描くことは息抜き、趣味の世界であり、苦痛に満ちた仕事や現実からの逃避だった。
本格的に水彩画を描き始めたのは40歳になってからで、山紫水明な南スイスのテッシン州のルガーノ湖を見下ろす丘に引っ越したのがきっかけだ。
郵便配達夫が新しい仕事を持ち込まない朝のうちに家を抜け出して、イタリアの軍歌を口ずさみながら意気揚々とぶどう山に入っていったそうだ。