金山湖へ 2011年10月4日〜10月5日
旅から帰ってきた。
俺としては後2泊ぐらいしたかったのだが、純子が帰ると言うので仕方がない。
「コニファー」のログハウスの建設は少しづつ進んでおり、二階の床、つまり一階の天井が出来ていた。
ロッジが埋まっているとき、建設中のこの二階に何家族もが一緒に宿泊したらしい。
隣の敷地には新しいログハウスが建っていた。
台湾在住のアメリカ人の実業家の別荘だ。
薪を500円で買ったのだが大層な量だ。
ビールケースほどの入れ物一杯ほどある。
盛大なたき火を作り、ダッジオーブンで調理をする。
火遊びは楽しい。
前日はギャルの3人組がロッジに宿泊し、薪を3ケースも買ってたき火をしていったそうだ。
聞くと、たき火をするためにやってきたらしい。
たき火を囲んで大勢で騒ぐのも楽しいし、じっと見つめて物思いに浸るのも意義がある。
「北の国から」の黒板五郎の「拾ってきた家」のような手作りの山小屋で加藤さんと大いに飲み、話す。
「コニファー」でどうしても手に入れたかった物は薪割り用の切り株だ。
冬は玄関で薪を小さく割るので大きな切り株は邪魔になる。
見渡せばちょうど手頃なサイズの切り株があったので譲って貰うことにした。
お金を渡そうとすると「こんな小さな物でお金は貰えません。」と受け取らない。
今回は車中泊をしたのだが、さすがに秋になると夏用の寝袋では寒い。
少なくとも3シーズン用の物が必要だ。学生時代と、社会人になってから買った寝袋が2人分あったのだが純子が捨ててしまったのだ。
確かに古くて汚かったが洗えば済む話だったのに。
朝起きて聞いてみたらやはり寒かったと言う。
この次は布団積んでこよう。
翌朝7時に出発。
目的地は東神楽の姉の家。
又野菜を貰おうという魂胆だ。
特に急ぐわけではないので、パチンコの玉があちこちの釘にからみつくように、出来るだけ寄り道をしながら行く。
南富良野町では「かなやま湖」を見る。
此処はダム湖だ。
重力式ダムで、ダムから取水した水が地下の配管を通り、ダム下の発電所のタービンを回して発電している。
でも地上には発電所の一部しか見えていないから、此処で発電しているとは思えない。
建物の地下部分は40メートルもあり、そこにタービンがある。
タービンを回した水は配管を通り空知川に注いでいる。
建物の脇には変電設備があり、66000ボルトの電圧で送電されている。
ダムの下部から水が奔流となって吹き出している。
霧状の水が辺りを満たしている。
これは「環境放流」と云うもので、4月から10月の間、川の生態系を保存するためにダムの水の一部を放流しているらしい。
おかげでいろいろな虫や小魚が帰ってきたらしい。
「コンクリートから人へ」というスローガンを掲げて、あちこちのダム建設を中止したりしているが、ダムってのは洪水を防いだり、貯水したり、発電したり、或いは観光、遊びの場になったりもするのだ。
悪い面だけじゃない。
良く選挙で保守とか革新とか言うじゃない。
革新って一体なんなんだいと思うわけよ。
今の社会と言うのは先人達が試行錯誤して作ってきた社会じゃない。
色々不具合はあれど、それは少しづつ直して行けばよい。
革新ってなんなの?
とりあえず今の社会を壊して新しい社会を作ろうって事なの?
だけど彼らは何にも具体的な物を提示できていない。
頭でっかちの人間が理想ばかりを語る。
頭の中では宇宙の果てまで行けるさ。
しかし我々は肉体を持っている。
肉体は重いんだよ。
この肉体を維持するために我々は物を食わなければならない。
動物としての本能だ。
共産主義が間違っているのは人間は動物なのだということを忘れていること。
人間なんて自分だけが生き残りたい、自分だけが子孫を沢山残したいと思っている生き物なんだよ。
今の中国見てみれば、指導者は私服を肥やし海外に資産を移し、何時でも逃亡出来るようにしている。
国を思う心なんて何処にも無いよ。
革新なんてちっとも新しくなんか無いよ。
とりあえず壊してみりゃなんか新しいものができるんじゃない?ぐらいにしか思ってないんじゃないの?
だから今の体たらく。
「国って何だろう。」
なんて政治家が、それも一国を代表する総理大臣が今更言うなよ。
「国家があなたに何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたがこの国の為に何ができるかを問いなさい。」
というのはケネディの就任式の名演説だが、この言葉を日本の政治家が言ったらマスコミやら左翼やらが
「これは由々しき発言ですわよ!」
と大騒ぎし、袋だたきにされ、辞任せざるを得ないだろう。
国家は国民の生命と財産を守る代わりに、国民は国家に税や徴兵の義務を負う。
国家と国民はそういう契約関係にあるのだ。
「何を今更」の筋金入りの阿呆が首相になってしまうこの国の現状は、国民が同じようなレベルなんだと言わざるを得ない。
ダムが駄目なんだと言うのなら、小沢の地元のダム建設もやめてみろって。
姉の家を出て留萌に向かうことにした。親父の生まれた音威子府にも行ってみたかったが遠すぎる。
留萌出身の知り合いはいるが、留萌に行ったことはない。
行ったことのない場所に行ってみたいじゃない。
深川から無料の高速道が留萌のそばまで走っているらしく、それに乗ろうとしたらその先一キロばかりに道の駅がある。
最近道の駅にはまっているのだ。
近くの何とかさんの作った野菜ですとかいって売られていて、農家直売だから新鮮で安い。
先日さゆりちゃんを千歳空港に見送りにいったときに買ったネギ、太くてぱりっとしていて、大層長持ちした。
だから道の駅があると、とりあえずは立ち寄ってみる。
中には「スーパーマーケットかい?」と思うようなところもあり、とりあえず入ってみなければ分からない。
今回寄った秩父別(ちっぷべつ)の道の駅「鐘のおか」は種類は少ないがまずまず。
純子はダッタンそば茶がべらぼうに安いのに感激し、二つ買おうか迷ったらしいが、又来ることもあろうかと一つだけ買った。
又来れるかどうか分からんよと俺は思う。
秩父別は人口が少ないらしく移住者を募集している。
その売りが1平米1円の宅地だ。
460平米に区分けされているから約140坪。
畑やるなら良いかもしれない。
スナックや居酒屋も何軒かあったよ。
http://ns.town.chippubetsu.hokkaido.jp/images/0113/011300004.pdf
http://ns.town.chippubetsu.hokkaido.jp/images/0113/011300006.pdf
http://ns.town.chippubetsu.hokkaido.jp/images/0113/011300003.pdf
秩父別のマスコットは「チーベルくん」というキャラクターらしい。
頭に鐘を被り稲を抱えている。
でもどーも「かわいいー!」とか思えないキャラなんだなあ。
セント君みたいに不気味じゃないが、なんというか町役場のちょっと画が描ける人が頼まれて仕方なくでっち上げたような。
何となく年寄り臭いような。
秩父別を発ち高速で留萌に向かう。
小さな街だと予想していたが小樽くらいの規模に見えた。
初めての街は大きく見える物で、実際は人口24500で130000の小樽市とは比べものにならない。
むしろ21200人の余市町に近い。
街中の風景は何処にでもある港町で、港では釣り人達がチカ釣りをやっていた。
黄金岬というのがあるという。
積丹にもあるが、こちらの黄金岬は積丹のように断崖に立っているわけではない。
道路の脇に公園みたいなところがあって海を見渡せる。
風が強く波が岩に当たって砕け、しぶきを飛び散らせている。
東映動画のオープニングシーンみたいだ。
海面に漂う白い泡が風に乗って飛んでゆく。
この公園には海に降りてゆく階段があり、近くのの岩礁迄続いている。
その岩礁も今は猛烈な波にたたきつけられ、激しくしぶきを空中に飛ばしている。
こんな時にこの階段を下りると波にのまれてしまいそうだ。
自殺の名所でも作ろうとしているのだろうか。
自殺振興のための階段?。
或いはサスペンス映画のエンディングシーンを此処でとってもらい、観光客を集めようというのか。
サスペンス映画のエンディングって犯人を如何にも危険な場所に呼びつけ、犯人が罪を告白し、罪を償うために崖から飛び降りようとするのを慌ててみんなで止めたりしてるが、何もわざわざそんな危険なところに集合せずとも、温泉旅館でひとっ風呂浴びてごちそうを食べて腹一杯になり、ビールでも飲みながらくつろいだところで
「ところで犯人はお前なんだろう。ほれ、もう一杯飲みな。お前が犯人だという証拠はあがってるんだ。素直に白状すれば情状酌量と云う事もあるんだぞ。」
と言えば犯人も酔いでつい気がゆるんで
「頂戴いたします。すいません。私がやりました。」
と白状し、一件落着、大団円ということで、犯人共々飲めや歌えやと宴会の続きを楽しむことも出来るというものだ。
そんな荒れた海を右手に見ながら札幌に向かう。
日が沈みかけている。
夕日が沈むのが見られるかなと思いつつ走っていると「雄冬岬展望台」という看板が。
曲がりくねった道を上ってゆくと駐車場に出た。
駐車場の脇は墓地だ。
綺麗に手入れされた立派な墓がいくつも並んでいる。
頂上に立てられた展望台の建物までは急な鉄の階段で上る。
「純子は膝が悪いのでやめたら?」と言ったのだが「神威岬よりは短い分ましでしょ。」と言って一緒に登る。
こんな辺鄙な山の中に居る物好きは我々だけだろうと思ったら先客がいた。
しかも何組も。
カメラを構えて夕日の写真を撮っている。
反対の切り立った崖の上には半月が浮かんでいる。
みんなで見ていたが水平線の当たりまで雲があり、雲から放射状にこぼれ落ちるオレンジ色の光芒の中心に太陽はあるようだが、最後までその姿を現すことはなかった。
「駄目だったね。」
とみんなが言って階段を下りてゆく。
どんどん暗くなっていって夜になった。
そこから約一時間かけて札幌まで帰る。
燃費は9.45キロまで行ったよ。
走行距離は600キロくらい。
先日オイル交換をして、もう1000キロ超しちゃったよ。