隕石

地球には多くの小惑星のかけらや彗星の核が落下してきて、その都度生物の大絶滅を引き起こしてきた。
それで、Google Earthでいくつかの隕石の衝突跡を紹介したいと思う。


まず、有名なところで6500万年前にユカタン半島に落下し、恐竜を絶滅させたとされるチクシュルーブ・クレーター
1978年、油田開発のためにユカタン半島沖の海底を調査しているときに、隕石が作ったクレーターらしきものが見つかった。
その時はそれが隕石の跡なのか判然としなかったのだが、その後の調査で地上にはほとんど存在しないはずのイリジウム(イリジウムは重いので、地球が出来た頃のどろどろ状態の中で地球の中心部に沈んでいったのだ。)が高濃度で地層に含まれていることがわかり隕石の落下によるクレーターだと判明した。
そしてクレーターが出来た年月を調べると6500万年前ということが判明し、以前から捜していた恐竜絶滅の犯人だと云うことがわかったのだ。
上の写真のプッシュピンの位置が隕石の衝突した中心で、その周辺の黄色い弧はクレーターの縁に沿ってわき出している天然の井戸である。

これらのセノーテと呼ばれる井戸はマヤ族の間で聖なる井戸とあがめられていた。
石灰岩の土地であるから地下には洞窟が広がっており、おそらくお互いの井戸同士地下で繋がっているのだろう。
クレーターそのものは地下に埋まって見ることが出来ないが、その痕跡だけが井戸の列として地上に現れている。


これがセノーテ、こういった井戸が点々と続いている。

地下の洞窟とセノーテで水遊びをする人たち、古代マヤ人がいたら殺されてるだろう。、

地球には何度も巨大隕石(巨大って云ってもチクシュルーブ・クレーターでさえ直径12キロ位の隕石なんだけど)が衝突しており、その都度生命の大絶滅を起こしている。
地球上で起こった大絶滅の中で最大のものは2億5千万年前のペルム紀〜三畳紀の大絶滅で、生物の90から95パーセントが絶滅した。この絶滅に関しても諸説あるようだが

http://chigaku.ed.gifu-u.ac.jp/chigakuhp/dem/weh/pt/permian.html

最近南極大陸の氷の下1キロメートルの所に直径500キロメートルに及ぶ大クレーターが発見された。
このクレーターを作った犯人の直径は約50キロメートル。
そしてこのクレーターの作られた時期が2億5千万年前、、、となるとどうもこいつが大殺戮の犯人らしい。

ウィルキスクレーター

これはNASAの衛星の重力異常の分布図と航空機のレーダーのデータをあわせて作られた画像で、赤と青の部分がクレーターの縁、オレンジ色の部分が衝突時に地下のマントルが吹き出した部分。

これらの隕石は人類誕生より遙かに大昔の隕石なのだが、人類の記憶に残っている大隕石と云うのは無いのだろうか?
インドにあるクレーターはヒンズー教の神話の中で、流れ星が作った穴だと書かれている。


LONAR クレーター

場所はここ。

クレーターの直径は1.8km。隕石が作ったクレーターとしては非常に小さい。
町のすぐそばにこんな大穴があいている。
ロナール クレーターの紀行文
中にはこんな風にクレーターの上に町がのっかている所もある。(ドイツ)

人類の記録で確実に残っている大隕石は1908年6月30日午前7時2分にシベリアのツングースカで発生した大爆発だろう。
もっともこれは隕石ではなく彗星の核らしく、地上に隕石孔は見つからなかった。上空8キロで爆発したらしく爆心地から直径40kmに渡って樹木をなぎ倒し、キノコ雲が立ち上り、衝撃波はヨーロッパにまで届いたということです。
ここがツングースカ大爆発の爆心地です。

地球の地殻は移動して海溝の中に滑り落ちてしまうので、いずれ隕石の衝突跡は無くなってしまう。
チクシュルーブ・クレーターやウイルキスクレーターなどが、まだ地球上に残っていたのは幸運なことだったといえるだろう。

消えゆきつつあるクレーター達

湖になってしまったクレーター


せめて孫の代くらいまではこんな大穴を作るような星が落ちてこないことを祈りたいものだ。