小旅行 2014年7月24日〜7月27日


7月24日から27日まで旅をしてきた。
道内は離島を除き走り回っているので、あまり新鮮味は無い。

7月24日(木)

275を北上し、滝川から赤平、芦別、富良野、狩勝峠、新得を通り「道の駅しほろ温泉」で一泊。

途中寄った道の駅「うりまく」は静かで乗馬体験もできるところで、そこに泊まっても良いと思ったのだが、純子が温泉に入りたいと言うので「しほろ温泉」まで足を伸ばしたのだ。

キャンピングカー愛好家のオフ会でもあったのかと勘違いするくらい、キャンピングカーが駐まっている。
やはり温泉付きの道の駅は人気があるようだ。

ここは足湯があって純子は楽しみにしていたのだが17時までしかやっておらず、すでに18時になっていた。
とりあえず温泉に入る。
泉質はモール温泉。

7月25日(金)

翌日は足寄から陸別へ。
陸別の町外れの「銀河の森天文台」に向かう。
銀河の森の入り口から坂を登ってゆく。
右手にはオフロードのコースがある。

入り口から高低差130メートルの曲がりくねった道を上り駐車場に着く・
天文台の入り口に閉鎖中の看板が掲げられていて天文台には入れないようだった。
ここには北海道で二番目に大きな口径115センチの反射望遠鏡があるのだ。
せめてドームだけでも見ておこうと坂道を登る。
天文台は350メーターほどの小高い丘の上にあった。
周りに遮る物無く、星が良く見えそうだった。

陸別から津別を通り美幌へ。
美幌で食料を調達し、美幌峠へ向かう途中にある「峠の湯 美幌」で温泉に入る。
長い坂の続く峠への道を3速に落としながらゆっくりと登ってゆく。
峠の道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」に到着。
25日はここに停泊。

7月26日(土)

日の出前に起き、頂上の展望台を目指す。
前を同じように日の出の写真を撮ろうとしている二人組が登ってゆく。
美空ひばりの「美幌峠」の歌碑の前を通る。
人が通ると美空ひばりが歌い出すのだが、朝早すぎてまだ眠っているらしい。

朝日が登ってきたが2011年10月29日に見たような荘厳な景色ではない。
あれは秋の晴天が続いた朝にしか見られない景色じゃないかと思う。




7月27日(日)

昨夜我々が道の駅に到着した後、隣にでかい春日部ナンバーのキャンピングカーがやってきた。
ドイツのハイマーという会社のフルコンだ。

http://www.hymerjp.com/

おそらくハイマーの日本法人ハイマージャパンの車だろう。
家庭用セパレートエアコンを装備している。
車の下回りに発電機らしき物が付いている。

早朝二匹の小型犬を連れて散歩をしていたが、他に人は居ないようだ。
犬でもいないと歳を取ってからの一人旅は寂しい。

道の駅の隣の建物の入り口に色々な動物を生け垣のように作った物が飾ってあってとても可愛らしい。
神田日勝美術館も見ておきたかったが、開館まで時間があるのであきらめた。

帰路は往路と同じく狩勝峠を通ることにする。
非力なエンジンに日勝峠はきつい。
しかし狩勝も峠付近は雲に覆われていて、おそらく前が見えないで立ち往生していたのだろう、突然目の前に車が現れたりするので、人が歩くぐらいの速度でおっかなびっくり走る。

南富良野の道の駅で休憩を取る。
ランドホームという会社の真新しいバスコンが駐まっていた。
http://www.rvland.co.jp/campingcar/rvland/landhome.php

最近のキャンピングカーには家庭用セパレートエアコンを乗せているのが当たり前になっているようだ。
この車も室外機が車体に埋め込まれている。

昔はアメリカ製の重いエアコンを屋根に載せていたが、あれは電圧の違いでトランスを使わないと外部電源を使えないし、インバーター制御ではなくドンと入ってドンと落ちるだけだから電気は食うし、微妙な調整が出来ない。
30キロ以上の物を屋根に載せているからトップヘビーになって重心が不安定になる。
しかも値段が高い。

家庭用のエアコンは価格も安いし、インバーター制御で微妙な調整が出来、省電力だし、除湿や暖房も出来る。
当然そのままで外部電源が使える。
良いことずくめなのだが、キャンピングカーに採用されなかったのはメーカーが車に使用することを想定して作っていないためだ。

それを初めてキャンピングカーに採用したのがリーエキスポートのアウトドアジュニアで、この車は「日本のキャンピングカーはこうでなければいけない」というしっかりとした思想の元に作られた先進的な車であった。

実際に家庭用エアコンをキャンピングカーに乗せ耐久試験を行って「十分いける」と確認して発売した。
同時に28KWという一般家庭の電気を賄える、大容量静音型インバーター発電機も搭載した。
家に居るのと同じように過ごせるのだ。

リーエキスポートは社長が亡くなったので廃業したが、こうやって他のキャンピングカーメーカーにその設計思想は受け継がれている。

道の駅を出るとき純子が「こんにちは」と挨拶しているのでそのバスコンを見ると、運転席で70歳くらいの男が手を振っているからあわてて挨拶をする。

「手の平を小刻みに動かしているから中気たかってるのかと思ったんだけど、よくよく見てみたら手を振っていたんで慌てて挨拶したんだよ。ずーっと手を振ってたらしいんだけど気がつかなくてすまなかったねえ。」

と純子が言う。

足立ナンバーということから察するに、元下町の工場の経営者だったが仕事を息子に継がせて引退し、今まで忙しくて禄に旅行にも連れて行けなかったかあちゃんを慰労するために日本一周旅行をさせてやろうと、1000万を超すバスコンをオプション満載で一括現金購入して旅を始めたのだろう。

本当はかあちゃんは不便なキャンピングカーなんかでなくホテルに泊まりたいのだが、父ちゃんのせっかくの好意をむげに断る訳にも行かず嫌々ながら付いて歩いているといったところか。

富良野、上富良野、美瑛を通り東神楽の姉の家へ。
姉の家は旭川空港のすぐ傍で、家の上を飛行機が飛んで行く。

東神楽に行く道の途中にゴミ処理場のゴミ山みたいな物があるなあとずっと思っていたのだが、今回通って見てそれが土盛りされた滑走路の末端部分だったのにようやく気がついた。
よく見ると滑走路の末端を示すための物らしき照明塔も建っていた。

姉のところに寄るのは野菜目当てだ。
ビニールハウスの中では、採り切れなかったトマトが腐って落ちているくらいだから、向こうにはどうって事無いだろうと勝手に解釈する。
すでにこちらの魂胆は分かっていて、ちゃんと用意しておいてくれていた。

昼食を食べていかないかと誘われたが、東神楽のラーメンを食べるのが楽しみだったので丁重に断る。

東神楽の「こぐまラーメン」は鹹水の匂いの強い縮れ麺で、スープもさっぱりしていて我々が子供の頃に食べていたラーメンの味だ。
そういうラーメンを旭川で捜して食べ歩いたのだがなかなか見つからず、たまたま姉の家に寄った帰りに食べたここがヒットだったのだ。

もともと「こぐまラーメン」という店名だったはずが、いつの間にか「旭川ラーメン」と変わっているのは何故だろう。
どんぶりには「こぐまラーメン」と書いてあるのだが。
ここは奇をてらわないシンプルな「醤油ラーメン」が旨い。

旨い物を食って満足し、土砂降りの雨の中275を通り家に帰る。