根付け

昔の人は和服を着ていたからポケットと云う物が無い。
それでタバコ道具や薬籠を紐をつけ帯に挟んでいたのだがそのままだとずり落ちてしまうから、紐の端っこに携帯ストラップの飾り物みたいな物をつけていた。
最初は木の切れっ端みたいな物だったのだが、日本人の凝り性な性格がそれをだんだん芸術的な物に高めていった。
使われていた頃は日用品みたいな物で、大量に出回っていて、大して価値を認められなかった。
その工芸品としての価値に注目したのは日本にいた西洋人達だった。
おそらく安い物だし、そもそも携帯性のある物だから大量に母国に持ち帰り、日本には根付けはほとんど残っていない。
日本の物ってそんなのが多いよね。
元々浮世絵だって陶磁器を梱包するときのクッションとして使われていた物が、向こうで評価された物だし。